夏季合宿

活動報告

夏が忘れていったのであろう残暑もひと段落して、小春日和と呼ぶには少し早いがそう呼ぶのが最適なほど穏やかで温かく秋澄む日々が続く中、居合道研究会に入会して初の合宿が行われた。

 高校までは文科系の部活に属しており、合宿といってもただの旅行のようなものしか経験したことのなかった僕は正直稽古のための合宿がどのようなものなのかわからず不安であった。ただこの4泊5日の合宿においてぼくには1つの目標があった。それは合宿前の自分に勝つことであった。それはもちろん居合においてもそうであるがそれだけではなく、困難や欠点から目を背けてしまう、人前で緊張してしまう…自分の欠点を挙げだしたらきりがないが、そのような欠点ばかりの弱い自分から、少しでもそれらを乗り越えた、より強い自分になるということを1つの目標にしていた。それはそのような自分のまま将来先輩として、またバイトなどでは先生として、人の上には立つことはできないし後輩や生徒に失礼であると思ったためだ。

 合宿では普段の稽古では時間的にも行われないような実践的なものや履合いという技の想定などの確認も行われ、とても有意義な稽古であった。そして3、4日目には以前から先輩方から聞いていたとても辛い稽古が行われた。以前の僕なら耐えられず、根を上げてしまったと思う。そのためその話を合宿前に聞いたとき絶対に乗り越えようと思っていた。そしてヘロヘロになりつつも何とか最後まで行うことができた。

 そのような日程を終え、早くも帰る日となった。お世話になった方々にお礼を言い合宿所を出た。そして僕があの日から強くなれたかなと思っていると、まだまだだよ、そう秋声に笑われた気がした帰り路であった。

文責 1年 埜藤