出場選手・戦績
段外の部 八重樫 初戦敗退
活動報告
本大会は私にとって初の公式試合であった。結果としては上記にある通り、不甲斐なくも初戦敗退となったわけであるが、この負けが今日まで続く私を奮い立たせる糧となったのは間違いない。さて、このまま決意めいたことを続けるのも悪くはないが、活動報告として当日の様子をふり返っていこう。
気の利いた心理描写の一つでもあれば面白くできるものなのだが、あの日の私はそんなことを考えられる余裕もないほどに緊張していた。その緊張ときたら生半可なものではない。いや、緊張だけではなかったかもしれない。当時の私はすっかり慢心し天狗になっていたものだから、その日も表彰台に上がるつもりでいたのだ。いやぁ、思い出すだけで赤面ものである。恥ずかしい、恥ずかしい。
当日の私を見た人の目にはヘラヘラしているように映ったかも知れないが、そうではない。緊張を紛らわそうと気丈にふるまっているつもりだったのだ。ところがそんなこんなで己の緊張と向き合わなかった私にはつけが回ってくる。試合直前で技を度忘れしたのだ。これではうまくいくはずもない。
以上のことからもわかる通り、初の公式試合は初戦敗退もとい会場の空気に飲まれる、であったのだ。冒頭で「奮い立たせる糧」だのなんだのと大層なことを並び立ててはいたが要するにそういうことなのだ。虚しい、虚しい。ただこれでしめてしまっては本当に虚しくなってしまうので、それらしく結ぶとする。
「挫折」を味わわない人もいるのだろう。今回の敗北は言ってしまえば高々試合、されど試合である。「挫折」とはハードルに引っかかるようなものではないかと私は考える。あの日、私が倒した小さなハードルはまだそこに転がっているに違いない。それを見るたび、いつも思うのだ。次こそは飛んでみせようと。
文責 一年 八重樫