第48回東日本学生居合道新人戦 

 東日本学生居合道新人戦 

  梅雨明け宣言はまだされていないが、時折30℃を超える真夏日も記録していた6月中旬の19日に日本大学大宮キャンパスにて、 新人戦は行われた。私の中ではこの新人戦というのは特別な意味をもつ大会だ。大学の一番下の後輩として指導されてきたものの集大成だからだ。 私は居合を始めてから1年強の間、非常に恵まれた環境で稽古ができた。 師範である岸本先生に週1回来ていただけるだけでなく、高段位の先生方が集まる千寿会への出稽古、週末の加藤先生の家での稽古、 何より普段の稽古だけでなく休日も返上してまで稽古をつけてくれ、時には真剣に相談に乗ってくれる先輩とこんな私にはもったいないくらいの環境 であった。先生と先輩に恵まれた私がこの大会でいい演武ができなかったのなら、それはすべて私の責任だと思って今まで稽古に励んだ。 そして、なにより先生方、先輩方に「私は先生方や先輩方のおかげでここまでうまくなることができました」と試合で表現をしたかった。

試合前日から緊張しているような私が試合当日に緊張しないというような都合のいいことはなく、明るく振舞っていたものの内心は緊張で ガチガチであった。開会式前のアップでは緊張は和らいでいたものの、初戦の試合待機の椅子に座ったときは再び緊張で体が自分のものではない ようだった。そのためか演武中2本目の逆刀で納刀を落としてしまった。普段なら最後まで響いてしまうところを、3本目からは気を抜かずに演武を 行ってなんとか勝つことができた。2試合目は1試合目に比べれば緊張は和らいだものの1試合目の納刀がチラついているのか5本目の添えて突きで納刀 を落とした。運がよかったのかこの試合も勝てた。

 

私にとって初めての経験が起こったのが、次の3試合目の優勝候補の選手と当たった試合だ。その選手は知り合いだったのもあり、 彼が試合でよく入賞するのを知っていたし、それ以上に彼に負けたくないという気持ちが稽古の励みにもなった。そんな彼とベスト8の入賞をかけて試合 をするのは当初あまりよく思ってなかった。しかし、彼と相互礼をするときになって、彼と試合をする嬉しさなのかワクワクした気持ちだったのかわから ないが自然と笑みがこぼれた。いざ試合をすると、いいことではないかもしれないが、隣の相手をこんなにも意識し、審判はどのような評価を与えてくれ るだろうかと楽しみで仕方ないという不思議な感覚だった。演武としても3本目の勢中刀の納刀を落とした以外は、他人がどう見るかはわからないが、私 の中では最高の演武だったと思う。結果は旗3本で負けてしまったが、悔しい気持ちがあったがどこかやりきったという今までにない気持ちにあふれていた。 このような充実した気持になったのは、剣道やほかのスポーツもやってことのある私の中でも初めての経験であった。このような経験ができたのも、 素晴らしい先生方や先輩方のご指導のおかげだと思う。このような試合をするためにも、今度は先生方や先輩方に結果という形で感謝を示すためにも、 今回の納刀のようなミスをなくし、技をさらに洗練するためにも、今後さらに稽古に励んでいきたい。同時に後輩としてだけでなく、先輩としても頑張り たい。次の現1年生の新人戦に向けて、後輩には何か伝えていければと思う。

文責  2年 前田